給水ポンプコラム

ブースター(増圧)ポンプの定期点検を実施

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  • 給水ポンプ点検

増圧ポンプの定期点検の必要性

ブースター(増圧)ポンプには多くの消耗部品があります。
ポンプの使用を続けると部品が摩耗や劣化して、十分な機能を発揮できなくなることもありますので、建物に水を安定供給するためにポンプの点検は非常に大切です。
点検を怠りポンプが故障すると以下の様な故障やトラブルが生じます。

・突然の断水。
・逆流防止器から多量に漏水。
・ポンプから漏水。
・ポンプから異音。
・ポンプ起動頻度過多。
・その他の故障。
・建物内の水が逆流して水道本管が汚染される事も有ります。


各自治体では1年に1回以上の定期的な点検が義務付けられています。
(東京都・大阪市では以下の様に定められています。)

●東京都給水条例施行規程 第8条の2
正常に給水するために増圧給水設備の次に掲げる機能について、定期点検を年1回以上行ってください。
①逆流防止機能 ②運転制御機能 ③正常な運転に必要な機能

●大阪市水道局給水装置施工基準 5-3 (8)
①増圧装置及び減圧式逆流防止器は年1回以上の保守点検を行うこと。

点検の方法・内容

点検方法は断水を伴わない目視点検(日常点検)と断水が2時間程度必要な点検が有ります。
ここでは断水が必要なブースター(増圧)ポンプの定期点検とはどの様な点検かを説明いたします。

目視点検

ブースターポンプ定期点検実施

ポンプの蓋を開けて内部の状態を点検します。配管や部品類に錆や腐食、破損、変形、漏水がないかを目視で点検します。これは日常点検でも行うとポンプの異常を早くに発見できますので、最小限の修理費用で処置が出来ます。

【点検項目】
  • 配管や部品類の状態 
  • 漏水の有無
  • 異常な振動や音の有無

制御盤・モーター点検

制御盤の作動状態やポンプの状態を点検します。

【点検項目】
  • 制御盤のスイッチ類の確認
  • 揚程確認、自動運転確認、代替え運転確認
  • 警報履歴確認
  • 各設定項目確認、運転確認
  • 絶縁抵抗値測定
  • 電圧測定
  • 運転時電流測定
  • 制御表示、警報確認
  • ポンプメカニカルシール、ベアリングの確認

絶縁抵抗値測定

圧力タンク点検

封入圧力調整

圧力タンク(アキュムレーター)はメーカーでは6カ月ごとに点検して圧力タンク内部の封入圧を適正な数値に調整する事が取扱い説明書にも記載されています。封入圧が不足していたりタンク内部のダイヤフラムが破損していると、インチング、チャタリングを起こしポンプが頻繁に起動と停止を繰り返し、水圧異常、機器類の摩耗、故障また断水になる事が有りますので圧力タンクの点検は6カ月ごとに必ず行ってください。(交換の目安は3年です。)

【点検項目】
  • 内部のダイヤフラム破損の確認
  • 封入圧力確認・調整

逆流防止器差圧点検

逆流防止器はブースター(増圧)ポンプには取付が義務付けられた機器で、敷地内に給水された水が水道本管へ逆流を防止する為の機器です。逆流防止器は前述の通り点検が義務付けられた機器で点検を実施するには、専用のテストキットを使用して点検をします。

(逆流防止器内部の部品類交換時期の目安は3年です。)

【点検項目】
  • 第二逆止弁作動確認
  • 第二閉止弁動作確認
  • 第一逆止弁作動確認
  • 逃し弁作動確認

逆流防止器の分解整備事例はこちら

ブースター(増圧)ポンプ点検

最終確認

各点検が終了するとストレーナー内部に異物が詰まっていないかを点検してから最終確認を行い増圧ポンプの定期点検は終了となります。

点検後は増圧ポンプ点検報告書(写真付き)でご報告いたします。

点検項目
  • ストレーナー内部点検
  • バルブ類開閉位置確認
  • スイッチ類の位置確認

現場事例|逆流防止器ゴミ噛み

逆流防止器の内部の写真です。

錆がストレーナーを通り越して逆流防止器の内部に入ってしまったため、逆止弁が完全に閉まらなくなり多量の水が逃し弁から漏水していました。この現場では漏水に気づかず漏水期間が長かったため水道代もかなりの高額になったと聞いてます。

上記の様に、漏水は水道料金も増加して、貴重な水資源が無駄になります。また漏水が原因で機器類が故障したり、思わぬ2次災害も発生する事も有りますので、ブースター(増圧)ポンプの維持管理及び定期点検は非常に大切ですので適切に行いましょう。

点検費用や点検内容に関する事、その他のご相談などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。